7月23日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の156円前半で取引されている。写真は米ドル紙幣。2021年11月撮影(2024年 ロイター/Murad Sezer)/>
Shinji Kitamura
[東京 23日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の156円前半で取引されている。円が全般に堅調な展開で、中国株安に引きずられる形で豪ドル/円が1カ月ぶり安値を更新した。
この日に動きが目立ったのは豪ドル。午前の104円前半からじり安基調が続き、103円半ばと6月半ば以来の安値を更新した。前日に中国が予想外の利下げに踏み切ったことで、経済的な結びつきが強いとされる豪ドルが売られており、対米ドルでも0.66ドル前半と3週間ぶり安値を更新した。
対米ドルでも円は底堅い展開で、ドルは朝方の157円前半から156円前半まで下落した。市場では、前日に自民党の茂木敏充幹事長が日銀について「段階的な利上げの検討も含めて、金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と発言したとの報道などが、円高の手掛かりとして話題となった。
幹事長の発言が注目を集めたのは、政府与党の幹部から日銀に対する「注文」が相次いでいるためだ。報道によると、岸田文雄首相が19日に「金融政策の正常化が経済ステージの移行を後押しする」と発言したほか、17日には河野太郎デジタル担当相が円安是正のため日銀に利上げを求めたと伝わった。
市場では「円の対ドル相場が161円台から157円台へ反発したにもかかわらず、政府がまだ円安水準を懸念していることを示唆している」(みずほ証券チーフ為替ストラテジスの山本雅文氏)として、介入も含めて円高への警戒感が強いとの声が聞かれた。
一方、ロイターがエコノミストを対象に実施している最新の月次調査では、市場の日銀利上げ予想が9月以降へ後ずれしたことが明らかになっている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 156.30/156.33 1.0888/1.0892 170.23/170.24
午前9時現在 156.90/156.93 1.0887/1.0891 170.85/170.86
NY午後5時 157.00/157.04 1.0890/1.0894 171.01/171.05