ビットコインの2024年夏、何が期待できるのか/>
ビットコイン(BTC)は今、新たなストーリーが生まれる前の小康状態にある。ETFの開始による興奮や投機、流入の急速なペースは収まった。11月の米大統領選挙までは、あまり良いニュースはないだろう。今、ビットコインは主に暗号資産市場とマクロ経済の逆風に直面しているようだ。
6月、ビットコインは史上最高値に迫る勢いだったが、予想を上回る非農業部門雇用者数の発表を受けて、インフレ率が低下しているにもかかわらず、5万8000ドルまで下落した。さらにマウントゴックスによる90億ドル相当のビットコインの弁済開始とドイツ政府によるビットコイン売却により、5万4000ドル付近まで下落したが、現在は6万ドル台前半まで回復している。今後数カ月でマウントゴックスの弁済が完了すれば、価格変動のリスクは大幅に軽減されるだろう。
これらのマイナス要因があるにもかかわらず、ビットコインは底堅さを示している。次の上昇の要因となりえるのは、イーサリアム(ETH)ETFの承認だ。ビットコインよりも流動性が低いが、イーサリアムへの資金流入が活発化すれば価格が上昇する可能性がある。だが、ビットコインのように供給過剰になる可能性もあります。
政治的には、トランプ氏が選挙キャンペーンでビットコインなどの暗号資産について肯定的な発言をしている。トランプ氏は、アメリカ第一主義を掲げ、雇用と富をアメリカ国内に留めることを目指している。トランプ氏が再び大統領になれば、ビットコインは上昇するかもしれない。ただし、トランプ氏の具体的な暗号資産政策はまだ不明だ。選挙当日に向けて、投機的な買いが見られるかも可能性もあり、これはポジティブな見通しと言える。
6月、カナダやEUを含む多くの主要中央銀行が利下げを行った。グローバルなM2流動性は、ビットコイン価格と強い相関関係を持っていることから、グローバルな流動性の増加傾向は、有益な方向と言える。
6月初め、ビットコインは史上最高値に迫る勢いを見せたが、逆風を受け、6月のレンジ相場の下限まで下落した。生産者物価指数(PPI)も予想を下回ったが、市場は買い疲れのサインを見せた。
その後、マウントゴックスが7月に債権者に弁済を開始すると発表し、またドイツ政府が押収したビットコインを売却したため、価格は6万ドルを割った。イーサリアムはビットコインを上回るレジリエンス(回復力)を見せたが、5月の高値からは依然として下落している。
ビットコインは今、明確なストーリーがなく、ネガティブなイベントが目白押し、買い手には盛り上がれる材料はほぼない。一方、イーサリアムは、ビットコインよりも流動性が低いこともあり、市場を刺激すると期待されているETFのスタートを心待ちにしている。多くの人は、7月中に販売開始に必要な「S-1」申請の承認がおり、関心と需要が喚起されると予測している。投資家はまた、イーサリアムとともに、アルトコインとビットコインが上昇するか否かにも注目している。
トランプ氏は選挙キャンペーンでビットコインなどの暗号資産について肯定的な発言を続けている。一方、バイデン氏はこの問題にはほとんど触れていない。今月末には、ナッシュビルで「BTC 2024」が開催され、トランプ氏をはじめとする複数の政治家が参加する予定だ。会場は、トランプ氏が暗号資産に関するポジションを発表することにふさわしい場所となるだろう。