日銀が9日に発表した6月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比1.0%増の1610兆円となった。
[東京 9日 ロイター] - 日銀が9日に発表した6月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比1.0%増の1610兆円となった。伸び率は前月の1.3%を下回り、2009年1月以来の低さ。残高は小幅ながら2カ月連続で減少した。預金通貨の伸び率縮小が影響した。
内訳では、預金通貨が3.0%増の985兆4000億円。伸び率は前月の3.3%を下回った。物価高で個人の消費支出が緩やかに増加していることに加え、消費税や法人税の納税に伴う法人預金の下押しが伸び縮小につながった。CDは26.9%減の24兆2000億円。
M2は1.5%増の1257兆5000億円。残高は前月をわずかに下回り、07年5月以来の低い伸びとなった。
広義流動性は3.0%増の2178兆5000億円。残高は4カ月ぶりに減少した。広義流動性のうち、外債は4.7%増の32兆1000億円。円安で押し上げられ、22年11月以来の高い伸び率。金銭の信託は13.1%増の419兆3000億円。伸び率は前月の13.6%を下回ったが、13%台の高い伸びが続いている。株高・円安が押し上げ要因となっている。
広義流動性の速報値はデータが集まらない計数もあり、来月以降に値が修正される可能性がある。