■プライム市場の時価総額が史上初の1000兆円
今週の日経平均は週間で1329.29円高(+3.36%)の40912.37円と上昇。引き続き保険や銀行など金融株が買われたほか、精密機器などにも物色が向かったことなどから日経平均、TOPIXはともに上げ幅を広げ、史上最高値を更新した。
7月30-31日に開催される日本銀行の金融政策決定会合に対する思惑などを背景に長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが1.100%まで上昇。時価総額が大きい三菱UFJFG
なお、6月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1141億円買い越したほか、TOPIX先物を1787億円買い越し、225先物は922億円買い越したことから、合計3850億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を4722億円売り越すなど合計で5395億円売り越し。なお、自己は現物を4141億円買い越した。
■サイコロジカルでは過熱感も
7月5日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比67.87ドル高(+0.17%)の39375.87ドル、ナスダックは164.46ポイント高(+0.90%)の18352.76、S&P500は30.17ポイント高(+0.54%)の5567.19で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値150円高の41010円で取引を終えた。
日経平均は日足ベースでは、25日移動平均線との上方乖離率は4.4%、200日移動平均線とは13.1%に留まっており、3月から4月に見られた「25日移動平均線+7%乖離」や「200日移動平均線+20%乖離」と比べると短期的な過熱感は乏しい。個別銘柄では、三菱重工業
7月下旬あたりから3月期決算企業の第1四半期業績発表が増えてくることで、今後、決算への期待感を材料に主力株が買われる可能性はある。第1四半期決算のタイミングで、今期予想を早々に上方修正する企業は少ないと思うが、「TOPIXの史上最高値更新」を見た外国人投資家が日本株買いに走れば、日経平均やTOPIXは上値追いの展開となる可能性もある。
■ETFの売りが心理的な重しに
市場では、来週決算日を迎える上場投資信託(ETF)の売りが警戒されている。投資家への分配金を捻出するために売りが入るとの見込みで、証券会社による試算では、現物株と先物の合計で1兆円から1.3兆円ほどとのことだ。毎年、この時期になると話題となる話なので、既に織り込まれており影響は限定的との見方だが、昨年の日経平均の年間高値は7月3日(33753.33円)につけているので、投資家心理としては気になるところだ。需給面でのネガティブイベントが控えているため積極的な売買は手控えられて、来週の東京市場は様子見ムードが強まる可能性はある。個別株を含め、足元の上昇に対する過熱感を冷ますような小さな調整を想定する。
なお、為替は1ドル160円台で推移している。政府・日本銀行による円買い介入観測は引き続き強いが、「急ピッチ」な円安ドル高が進行しているわけではないので、円買い介入は実施しにくいとの見方が強い。日銀会合の2-3週間前あたりから、日銀関係者による情報が伝わり始めることで、日銀会合リーク情報を巡る為替市場や金利市場の動向に要注目となろう。
■11日に米CPI、12日に米PPI
来週は、国内では、8日に5月国際収支、6月景気ウォッチャー調査、10日に6月国内企業物価指数、11日に5月機械受注、12日に5月鉱工業生産などが予定されている。
海外では、9日に豪・7月ウエストパック消費者信頼感指数、10日に中・6月生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、トルコ・5月鉱工業生産指数、米・5月卸売在庫、週次原油在庫、11日に独・6月PPI、CPI(改定値)、英・5月鉱工業生産指数、製造業生産高、貿易収支、米・6月CPI、週次新規失業保険申請件数、12日に独・5月小売売上高、中・6月貿易収支、米・6月PPI、7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。