米航空機大手ボーイングと米航空機部品大手スピリット・エアロシステムズが30日にそれぞれ取締役会を開き、ボーイングがスピリット株を総額40億ドル超(1株当たり37.25ドル)で買収すると決定した。写真は2023年6月、パリの航空ショーで撮影(2024年 ロイター/Benoit Tessier)/>
Mike Stone Allison Lampert
[ワシントン 30日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングと米航空機部品大手スピリット・エアロシステムズが30日にそれぞれ取締役会を開き、ボーイングがスピリット株を総額40億ドル超(1株当たり37.25ドル)で買収すると決定した。
関係者によると、買収総額は約47億ドルに上る。発表は7月1日早朝の見通し。
ボーイングは1月5日に新型の小型機「737MAX9」のドア部品が飛行中に吹き飛ぶ事故を起こすなど安全性と品質管理の欠陥が問題となり、生産も落ち込んでいる。スピリット買収を通じて経営立て直しを強化するのが狙いだ。
買収は全額を株式交換方式で行い、今後は規制当局の承認待ちとなる。ボーイングによる買収後、スピリットは会社分割され、一部の事業は欧州航空機大手エアバスの傘下に入る見通しだ。ただ、その際の条件は明らかになっていない。
ボーイングは最近、「組織的な品質管理上の問題」に取り組む包括的な計画を米連邦航空局(FAA)に提出した。スピリットは世界最大手の独立系の航空機構造部品メーカーで、エアバス向け部品供給も手がけてきた。ボーイングは2005年にスピリットを分離・独立させたが、これは品質改善面よりもコスト削減に重点を置く象徴的な経営判断の一つだったとの厳しい見方も出ている。
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