主要通貨の対米ドル騰落率(月初~6月21日まで)/>
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米ドル/円 日足 (出所:TradingView)/>
SNBは大方の予想どおり0.25%の利下げへ
みなさん、こんにちは
今週の注目はSNB(スイス国立銀行)とBOE(イングランド銀行)の金融政策決定会合でした。
そしてマーケットの注目をより集めていたのがSNB。20日の金融政策決定会合で0.25%の利下げを発表しました。
SNBに注目が集まっていた要因は、まず主要通貨で今月最も値を上げている通貨はスイスフランであること。
下図は、月初からの主要通貨の対米ドルの騰落率です。
対米ドルで最も値を上げているのが、避難通貨であるスイスフラン。そして米ドルに対して最も値を下げているのがユーロです。
結果、月初からユーロ/スイスフランが最も値を下げており、スイスフラン/円も史上最高値を更新し続けています。
その要因は過去のコラムでも何度も取り上げていますが、まず、SNBが再び通貨安政策から通貨高政策に変更したこと。
それにより、20日のSNBは当初利下げ予想は大幅に後退していました。
ところが、それを覆したのがフランス国債の混迷です。
20日のフランス国債は堅調な需要があったものの、フランス議会選挙の第1回投票まであとわずかということで、フランス国債にはまだ警戒感が高い状態が続いています。
フランスを筆頭とした欧州の混乱は、避難通貨のスイスフランの買い需要を高めます。
そのため、仮にSNBが利下げを決断しても、スイスフラン安にふれる心配はありません。
スイスフランの押し目買いのチャンス
金利先物市場が67%程度予想していた通り、20日、SNBは0.25%の利下げを決断し、いったんスイスフランは幾分値を下げています。
ただ、SNBの0.25%の利下げが欧州の混乱を緩和させるわけではありませんので、SNBが0.25%利下げしたことによるスイスフランの下落は、スイスフランの押し目買いのチャンスだと考えています。
グローバルに注目されるのはユーロ/スイスフランですが、史上最高値を更新しているスイスフラン/円を次に検証してみましょう。
スイスフラン/円も史上最高値を更新中
まず下図は、スイスフラン/円の日足です。
スイスフラン/円の日足を振り返れば、日銀の大規模介入が入ったときの安値が167.39円(5月1日)。
そこから大きな押し目もなく、一時当コラムのターゲットである180.00円に迫る179.09円まで続伸しています。
米ドル/円は最初の介入が入った時の高値である160.17円をまだ超えないでいますが、スイスフラン/円は米ドル/円で介入が入った時に一時的に下がっただけで最高値を更新しています。
英ポンド/円も同様。
こうしたクロス円が高値を更新している相場環境が、僕が米ドル/円も早晩160円を超えてくるのではないかと考えている根拠のひとつになっています。
米国が日本を為替の監視対象に再指定! 米ドル/円はいずれ160円超えへ!
そしてもうひとつの円安の要因が次の報道。
米、為替監視に日本再指定 1年ぶり、貿易黒字拡大で 為替介入には許容示唆
記事の中では、「日本の介入実績が毎月公表されていることから「透明性がある」と一定の評価をした」とありますが、為替監視国に日本が再指定されたことで当局の介入は一段と難しい判断を迫られることになります。
前述のようにスイスフラン/円を筆頭にクロス円が続伸していること、加えて為替監視に日本が再指定されたこともあり、米ドル/円は想定どおり160円超えへと上昇中。
一方、史上最高値を更新している避難通貨スイスフラン/円にも注目です。
当コラムのターゲットは180円にしていましたが、早々にほぼ達成したこともあり、190円に変更しました。
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