ビットコイン価格が5月に停滞を招いた抵抗線に到達──アナリストは楽観的な見通しを示す/>
今週初めに上昇を止めた重要な抵抗線に向けて反発した後、アナリストらはビットコイン(BTC)の価格見通しについて楽観的になっている。
6万3500ドル付近の50日単純移動平均線(SMA)のサポートラインを試した後、BTCは急反発し、6万7000ドルを突破したことがCoinDeskのデータに示されている。また、3月と4月の高値を結ぶトレンドラインで特定される抵抗線に迫っている。いわゆる下降トレンドラインは、7月22日、そして5月に最後に注目されたときと同様に、打開しなければならない課題となっている。
アナリストたちの雰囲気から判断すると、それはすぐに起こるかもしれない。
そのきっかけとなるのは、アメリカのコア個人消費支出(PCE)価格指数で、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標として、協定世界時(UTC)26日午後12時半(日本時間午後9時半)に発表される。もう一つは、ナッシュビルで開催されるビットコインカンファレンスで共和党大統領候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が行う演説だ。
「PCEの発表は、高金利に決定的な一撃を与え、利下げ発表を早める可能性がある。一方、ビットコインカンファレンスでのトランプ氏の演説は、ビットコインの国家戦略備蓄の発表という噂が事実になれば、より力強い上昇相場のきっかけになる可能性がある」と、アドバイザリーファームBRNのデジタル資産アナリスト、ヴァレンティン・フルニエ(Valentin Fournier)氏はメールで述べた。
これらの要因により、ビットコインは新たな高値をつける可能性があるとフルニエ氏は付け加えている。
FactSetによると、PCEは5月にほぼ横ばい、前3カ月で0.3%上昇した後、6月には0.1%上昇すると予測されている。年率換算値は6月に2.4%と予測されており、これは2021年以来最も低い上昇率となる。
FRBの目標である2%に向けた継続的な進展は、金利引き下げの根拠を強める。25日のアメリカのGDPデータで明らかになった力強い経済成長を背景に、流動性緩和が再開されれば、暗号資産(仮想通貨)を含むリスク資産への投資が活発化する可能性がある。
暗号資産投資家は、27日に予定されているトランプ氏の演説にも注目している。今週はずっと、金融システムにおけるBTCのより大きな役割をトランプ氏が発表するのではないかという憶測が飛び交っている。
シンガポールを拠点とする暗号資産サービスプロバイダーのMatrixportによると、ネットワークに割り当てられたコンピューティングパワーの量を測定するマイニングハッシュレートや、ステーブルコイン供給量の増加といったその他の要因も強気シグナルを示している。
「ビットコイン相場の先行指標であるビットコインのマイニングハッシュレートは改善している。また、ビットコインの保有量も増え続けている。一部のマイニング業者が採算の取れないマシンの稼働を停止しているにもかかわらず、保有量が増加しているということは、将来の価格上昇に対する信頼を示唆している」と、Matrixportは26日の顧客向けメモで述べている。
また、Matrixportは、法定通貨から暗号資産への資金流入が増加していることを指摘した。これは、最近、ステーブルコインの市場資本総額が増加したことからも明らかだ。
「歴史的に、このような増加は強気であり、従来の金融市場から暗号資産への資金シフトを示唆している」と述べた。