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5200人が住める街づくりの先駆け、横浜市泉区に「ゆめが丘ソラトス」《楽待新聞》

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2024-07-21 18:00

今夏の完成を目指して、相模鉄道の「ゆめが丘駅」および横浜市営地下鉄の「下飯田駅」周辺で土地区画整理事業が進んでいる。...

  今夏の完成を目指して、相模鉄道の「ゆめが丘駅」および横浜市営地下鉄の「下飯田駅」周辺で土地区画整理事業が進んでいる。

  再開発エリアは横浜市西部の泉区に所在し、その広さは東京ドーム約5個分に相当する。総合病院や住宅が建てられるほか、今月には大規模商業施設の「ゆめが丘ソラトス」が開業予定だ。

  本事業は、地権者・住民・事業者が運用する「タウンルール」に準拠して進められてきた。地域の願いを反映したプロジェクトとして、完成後には住民の暮らしに変化が起こるかもしれない。

  本記事では、周辺一帯がどのような街になるのか、地域の現状とともに解説する。

  ■泉ゆめが丘を新たな交流拠点へ

  「ゆめが丘駅」は、神奈川県横浜市泉区にある相模鉄道相鉄いずみ野線の鉄道駅だ。その南200メートルほどを行くと、横浜市営地下鉄ブルーラインの通る「下飯田駅」がある。

  両駅から横浜駅までは、30~40分でアクセスできる。新宿駅までの所要時間は約1時間であろ、都心部からのアクセスは比較的良好と言える。

  ゆめが丘駅と下飯田駅の周辺は、もともと田畑や住宅街が広がるエリアだった。特にゆめが丘は平安時代から農村として栄えたため、観光農園や果樹園が今でも点在している。

  本エリアの再開発が検討され始めたのは、2016年のこと。同年11月に横浜市が「横浜市都市計画マスタープラン泉区プラン」を策定し、泉ゆめが丘地区を「新たなにぎわい・交流をはぐくむ地区」と位置づけた。

  2014年8月には、約123億円の予算で「横浜国際港都建設事業 泉ゆめが丘地区土地区画整理事業」が開始される。本事業は、両駅と環状4号線のネットワークを生かして、新たな駅前拠点市街地の形成を目指すものだ。

  その一環として、2022年12月からはゆめが丘駅の東で大規模商業施設の建設工事が進められた。周辺に総合病院やマンションも建てることで、利便性の高い居住エリアを生み出す構想である。

  今回の再開発は、相模鉄道などを統括する相鉄ホールディングスが中心となって進めている。相鉄ホールディングスと横浜市は、2013年4月に「相鉄いずみ野線沿線の次代のまちづくりの推進に関する協定」を締結。この取り組みを通して、相鉄いずみ野線沿線の活性化を図る狙いだ。

  地域資源の活用を通じた街の魅力づくり、子育て世代・高齢者への支援、環境・エネルギー対策、地域コミュニティの発展などが計画されている。

  また、相鉄ホールディングスは沿線開発の6大プロジェクトも掲げる。本プロジェクトは「選ばれる沿線」を目指して、横浜をはじめとした6拠点の土地区画整理を推進するものだ。拠点には泉ゆめが丘地区も含まれることから、今回の再開発に至ったと考えられる。

  ■地域住民のための「ゆめが丘ソラトス」

  「泉ゆめが丘地区土地区画整理事業」の先駆けとなるのは、今月25日に予定される「ゆめが丘ソラトス」の開業だ。

  ゆめが丘ソラトスは地上3階建ての大規模商業施設であり、延床面積は9万6800平米。

  施設内には約130店舗が入り、主なテナントとしては無印良品やユニクロ、GU、TSUTAYAなどが入居する。109シネマズの大型映画館をはじめ、地域住民の娯楽スポットも充実した施設となる。

  施設のコンセプトは「Dear Life,Dear Local」。

  地域資源である農産物を生かして、食の魅力について積極的に発信していくという。地域の食物販ゾーンとしては、1階部分に「ゆめが丘マルシェ」が設けられる。

  約3000平米の屋上広場には、相模鉄道キャラクターの「そうにゃん」をモチーフにした広場「そうにゃんぱーく」が整備される。入場は無料のため、子育て世代が気軽に通える交流スペースとして機能するだろう。

  2階と3階に施設される「SORATOS Room(ソラトスルーム)」も、地域の交流を生み出す空間となるだろう。催事・展示場として活用され、開業日から連日でイベントの開催が予定されている。

  ■タウンルールを反映した再開発

  施設全体で見ると、ゆめが丘ソラトスは商業的な側面だけではなく、地域性も非常に強いことがわかる。これには、再開発の規則として定められた「タウンルール」が関係している。

  タウンルールとは、地域の住民や事業者が自主的に運用するルールのこと。ゆめが丘ソラトスが建つA-1地区には、「賑わい、交流の場としてイベント等で活用できる空間等を設ける」という決まりがある。

  泉ゆめが丘地区のタウンルールでは、他にも、地域の緑化や自然エネルギーの活用、雨水の流出対策などが推奨されている。この取り組みにより、「地域のための再開発」という方向性が明確に定まっているのだ。

  相鉄ホールディングスもタウンルールに理解を示し、ゆめが丘ソラトスや周辺エリアには太陽光パネルを設置するなどして、循環型社会を目指す構想を明らかにしている。

  ■約5200人が住む街を形成へ

  では、視点を泉ゆめが丘地区全体に広げてみよう。どのような開発が計画されているのだろうか。

  土地区画整理事業の対象エリアは、ゆめが丘駅を中心とした約24ヘクタールの区域。ゆめが丘ソラトスのほか、総合病院や賃貸マンション、公園などを施設して、約5200人が住める街を形成する構想だ。

  下飯田駅の周辺は住宅地区や複合利用地区として開発され、北側には駅前広場が設けられるという。

  また、環状4号線をはじめとした周辺道路も整備される。一部の拡幅工事が行われるのに加えて、幅員4.5~11.5メートルの区画道路も各所に配置する。

  さまざまな方向性から住みやすさを追求しており、開発が進めば快適な環境が整っていくものと期待されている。もちろん、前述のタウンルールは地区全体の再開発にも反映される。

  約24ヘクタールという広い区域での開発事業は、街の印象を大きく変えることになるだろう。その先駆けとも言えるゆめが丘ソラトスの開業はどれほど影響力のあるものなのか、今後の動向に注目していきたい。

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