■伸び悩み、ユーロ圏の経済成長リスクは下方傾斜
今週のユーロ・ドルは伸び悩み。一時1.09ドル台半ばまで買われたが、週末前にユーロ売りが広がった。欧州中央銀行(ECB)は7月18日開催の理事会で主要政策金利を据え置くことを決めたが、ECBのラガルド総裁が会見で「経済成長のリスクは下方に傾斜している」との見方を伝えた。9月利下げの可能性も残されていることから、リスク回避的なユーロ売りが強まり、一時1.0872ドルまで値を下げた。取引レンジ:1.0872ドル-1.0948ドル。
「下げ渋りか、ECB追加利下げ観測も米インフレ鈍化の思惑残る
来週のユーロ・ドルは下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は想定通り政策金利の据え置きを決定。次回9月は不透明だが、景気の下振れリスクで追加利下げの可能性があり、ユーロ売りに振れやすい。一方、米インフレ鈍化は鮮明で、連邦準備制度理事会(FRB)の9月からの利下げ開始を想定してユーロ買い・米ドル売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。
予想レンジ:1.0750ドル-1.1000ドル
■弱含み、米ドル安・円高の相場展開の影響受ける
今週のユーロ・円は弱含み。米ドル・円相場が円高方向に振れたこと、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は経済成長のリスクは下方に傾斜しているとの見方を伝えたことから、リスク回避のユーロ売り・円買いが観測された。フランスの政局不安は後退したものの、 リスク選好的なユーロ買いは拡大しなかったことも影響したようだ。取引レンジ:170円00銭-172円92銭。
■弱含みか、日欧金利差縮小の思惑残る
来週のユーロ・円は弱含みか。欧州中央銀行(ECB)理事会は追加利下げを見送ったが、域内経済の下振れが警戒される。そのため次回9月は追加利下げの可能性があり、リスク選好的なユーロ買いは抑制される展開か。一方、日本のインフレ持続で日本銀行による追加利上げ観測は消えていないため、日欧金利差の縮小を意識したユーロ売り・円買いがやや強まる可能性は残されている。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・24日(木):S&Pグローバル7月製造業PMI(6月:45.8)
・24日(木):S&Pグローバル7月サービス業PMI(6月:52.8)
予想レンジ:169円00銭-174円00銭