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前期末にグループ入りしたFMGを中心とした空港関連ビジネスが売上を牽引、「FMGについてはのれん償却前で黒字化し、第4四半期以降はのれん償却後でも単月黒字化のメドが立った」(同社IR担当)という。今後の受注規模拡大に向けてランプ事業の内製化に着手、成田空港を手始めに、全国の主要空港での一括受託体制の整備を加速させる方針だ。
インバウンド関連全体の売上高は前年同期比で約2.1倍と大きく成長。また、コロナ明けで需要が回復してきたツーリズム・スポーツも好調に推移した。
利益面においては、人件費増の取引先への価格転嫁に時間を要しており、粗利率が想定を下回った。ただ、「主力の通信分野は売上高の減少は第2四半期で底打ちし、粗利率も第3四半期においては前年同期比で改善している状況。インバウンド分野についても粗利率改善が進んでおり、第4四半期以降もこの流れが継続することで来期に向けた地固めとしたい」(同)という。
24年8月期の業績予想は、連結売上高が前期比8.1%減の588億1000万円、経常利益は同43.5%減の24億3000万円と前回予想を据え置き、特需による影響を除いた実質ベースでは増収減益となる見込み。
配当に関しては、期初予想を据え置き、前期から4円増配の35円。持株会社体制移行前を含めると13期連続の増配となり、積極的な株主還元を継続する。
16日の終値は前日比10円高の993円。