16日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米利下げ観測や政府・日銀による為替介入への警戒感などを背景に、1ドル=158円台半ばに下落した。もっとも、東京時間の日中は値頃感を受けた実需筋による買いもあり、総じて堅調に推移した。午後5時現在は、158円48~51銭と前週末(午後5時、159円20~23銭)比72銭のドル安・円高。
ドル円は早朝、前日の海外市場の水準を受けて158円10~20銭台を中心に推移。日本は3連休明けだったこともあり、仲値に向けては輸入企業によるドル買いも多く、じり高歩調をたどった。その後も、堅調な日経平均株価がリスク選好の円売りを促し、正午前には158円70銭台を付けた。
しかし、午後に入ると上値の重い展開になった。「159円が近づくと政府・日銀による為替介入への警戒感が強まり、さらにドルを買い進む動きにはなりづらかった」(外為仲介業者)という。時間外取引の米長期金利が低下基調になったことも、ドル円の上値を抑えたとみられる。
前日の海外市場では、パウエルFRB議長が利下げに向けて「確信が若干増した」と発言したと伝えられると、一時157円10銭台まで急落する場面もあった。もっとも、すぐに158円台を回復。米大統領選を巡り、「銃撃を受けたトランプ前大統領が優勢になったとの見方が市場に広がった」(FX業者)ため、米長期金利が上昇したことも、ドルのサポート要因になった。
ユーロは対円で下落、対ドルで上昇。午後5時現在、1ユーロ=172円74~75銭(前週末午後5時、173円16~17銭)、対ドルでは1.0899~0899ドル(同1.0875~0875ドル)。(了)