7月9日、複数の関係筋によると、米連邦準備理事会(FRB)は、国内最大手8行の自己資本負担を総額数十億ドル軽減できる可能性があるルール変更について検討している。
[ワシントン 9日 ロイター] - 複数の関係筋によると、米連邦準備理事会(FRB)は、国内最大手8行の自己資本負担を総額数十億ドル軽減できる可能性があるルール変更について検討している。
問題になっているのは「グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)」に対する上乗せ資本(G-SIB資本サーチャージ)の算出方法。
FRBは2015年に設定した算出に使用する「係数」の更新を検討。係数を経済成長に合わせて調整し、世界経済に対する銀行の規模をより正確に反映させる案を協議している。
係数の更新により、各行のG-SIBスコアが下がり、それに伴い資本サーチャージが減るという。
関係筋によると、FRBの協議は継続中で、決定は下されていないが、FRBが協議を始めたこと自体、以前からサーチャージの軽減を求めてきたG-SIBsにとって大きな前進となる。
各行が自己資本負担を潜在的にどの程度軽減できるかは、ビジネスモデルなどさまざまな要因に左右される。
例えば、ロイターの試算によると、JPモルガンとバンク・オブ・アメリカの場合、0.5%の資本サーチャージは80億ドル以上に相当する。銀行側はその分を融資を通じて実体経済に還流できると主張している。
G-SIB資本サーチャージは09年の世界的な金融危機を受けて、銀行の強靭性を高めるために導入された。
G-SIBsは、世界経済の成長とともに銀行も成長する傾向があるため、古い算出方法では世界経済に対する銀行の規模が実際よりも大きく算出されると主張してきた。