米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁(写真)は3日、景気を押し上げることも減速させることもしない中立金利の水準はそれほど上昇していない可能性が高いとの見解を示した。
- 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は3日、景気を押し上げることも減速させることもしない中立金利の水準はそれほど上昇していない可能性が高いとの見解を示した。
エコノミストらが「Rスター」と呼ぶ実質中立金利は、長期的に経済のバランスを取るものとしてウィリアムズ氏も一定の評価をしている。一部のエコノミストは新型コロナウイルス禍後の経済の変化によって「Rスター」が上昇したと考えているが、ウィリアムズ氏はそれに対して懐疑的な立場だ。
ウィリアムズ氏は、欧州中央銀行(ECB)主催のポルトガルでの会合の講演の準備原稿で「Rスターが上昇していることを裏付けるには、まだ2つの重要な問いがクリアされていない」と言及。「Rスターの上昇は、数十年にわたりRスターを押し下げてきた力に打ち勝つ必要がある」とし、「最近の指標における世界の人口動態と生産性の伸びは、コロナ禍前の傾向が継続していることをさらに裏付けている」と説明した。
さらに、戦術的な金融政策の判断においてRスターが大きな要因にはならないとし、「Rスターの動きには不確実性が高く、適切な金融政策の措置を判断する際にRスターに過度に依存すべきではない」と指摘した。
ウィリアムズ氏の準備原稿に、金融政策と経済の見通しについてのコメントはなかった。