暗号資産を保有する企業向けの財務サービスを開始:アブラ/>
デジタル資産のプライム・サービスおよび資産管理プラットフォームを提供するアブラ(Abra)は現地時間7月1日にプレスリリースを行い、バランスシート上に準備金として暗号資産(仮想通貨)を保有したい企業向けのサービスである、アブラ・トレジャリー(Abra Treasury)を開始したと発表した。
同サービスは、米証券取引委員会の登録投資顧問会社であるアブラ・キャピタル・マネジメントが運営し、企業、ファミリーオフィス、非営利団体に対して幅広くデジタル資産についての財務管理ソリューションを提供する。
アブラ・トレジャリーは、カストディ、トレーディング、借入、利回り関連のサービスを組み合わせて提供し、顧客は暗号資産を個別に管理された状態で保有することができる。これにより、顧客は自らのデジタル資産について名義や所有権を保持することができる、と同社は述べる。
インフレ圧力の上昇と地政学的緊張の高まりが特徴的な今の不透明なマクロ環境は、一部の企業財務担当者に、バランスシート上の準備金としてビットコイン(BTC)の追加を検討せざるを得なくさせている。
ビットコイン保有企業として最大なのはマイクロ・ストラテジー(MicroStrategy:MSTR)で、226,331トークンを有する。マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏の率いるこのソフトウェア企業はナスダックに上場しており、暗号通貨の元祖であるビットコインを2020年から貯めている。
アブラ・キャピタル・マネジメントの資産運用責任者であるマリッサ・キム(Marissa Kim)氏は、「ビットコインを財務での準備金として用いるのに関心を示す、クリプトネイティブではない企業が増加していることが、デジタル資産業界に光が当たり、市民権が与えられる兆候だ」と述べた。
同氏は発表の中で「中小企業、特に不動産会社のオーナーや経営者が、自身のビジネスニーズや不動産プロジェクトに必要な資金を調達するためにビットコインを購入したり、担保に借り入れたりすることに関心を示す事例が増えており、これまでは見られなかったことだ。」と述べている。
州銀行監督者会議(CSBS)が現地時間6月26日に行った発表によると、アブラおよび創設者兼CEOのウィリアム・ビル・バーヒト(William “Bill” Barhydt)氏は、然るべきライセンスを取得せずにモバイルアプリケーションを運営していたとして、25州の金融規制当局と和解した。和解契約の条項に基づき、アブラは和解した州における米国の顧客に対して最大8,210万ドル(約131億3,600万円、1ドル160円換算)分の暗号資産を返還する予定となっている。
|翻訳・編集:T.Minamoto|画像:CoinDesk archives|原文:Abra Launches Treasury Service for Corporates That Want to Hold Crypto