ドル円は高止まり、ユーロが軟調 仏政治リスクが再燃、原油高も不安材料に=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロが軟調。7日に第2回目の仏国民議会投票を控えて、不透明感が再燃しているもよう。ユーロドルは1.07台前半で上値重く推移しており、前日の上昇を戻している。ユーロ円は173円台後半から前半へと下押しされ、対ポンドでもユーロが売られている。昨日大幅高となった仏CAC指数は反落、欧州株全般が売られている。加えて、中東情勢の緊迫化が再燃しており、原油高を招いていることも不安材料だ。ポンドはロンドン朝方までは売られていたが、ロンドン時間に入ると反発。対ユーロでの買いが優勢になっている。ポンドドルは1.26台半ばから前半で下に往って来い。ポンド円も204円台前半から一時204円台割れも、すぐに値を戻している。ポンドにとっては4日の英総選挙で労働党政権に移行する見通しが強まっている。崩壊状態になっている医療の立て直しをアピールしている。ドル円は東京午後に161.74近辺まで買われ、37年半ぶりの高値水準を更新。その後は買い一服も161円台後半に高止まりしている。神田財務官が懇談会で「日本国債は直ちに格下げ生じる状況ではないが注意必要」「足元の為替、投機で動いている部分が大きい」などとしたが、特段の反応はみられなかった。
ドル円は161円台後半での取引。先週のバイデン対トランプのTV討論会でトランプ氏優勢となったことが、ドル買いにつながった。東京市場でもその流れを受けて底堅く推移、値幅は限定的も一時161.74近辺と37年半ぶりの高値水準を更新した。ロンドン時間には買い一服も161.55付近で下値を抑えられての揉み合いとなっている。欧州株が軟調に推移しているが、ドル円は底堅さを維持している。
ユーロドルは1.07台前半での取引。終日上値重く推移している。東京朝方の1.0741近辺から足元での1.0710近辺までの値動き。ユーロ円は東京市場で173円台前半で揉み合ったあと、ロンドン早朝に173.60近辺まで買われた。その後はロンドン時間に入ると売りに押されて安値を173.09近辺まで広げている。対ポンドでもユーロ売りに押されている。複数のECB当局者発言が報じられているが、今後の追加利下げ時期についての明言は避けられていた。仏政治リスクへの警戒感で欧州株が売られており、ユーロも圧迫されている。6月ユーロ圏消費者物価指数速報値は前年比+2.5%と前回の+2.6から若干の鈍化となったが、市場予想通りで目立った反応はみられなかった。
ポンドドルは1.26台半ばでの取引。東京朝方の1.2654近辺を高値に、ロンドン朝方には1.2616近辺まで下落。その後は買戻しが強まり1.2650付近へと反発している。ポンド円は下に往って来い。前日終値204.25レベルを挟んだ揉み合いが続いたあと、ロンドン朝方に203.88近辺まで一時下落。しかし、その後は買戻しが強まり高値を204.40台へと伸ばしてきている。ユーロポンドは0.8496近辺を高値に、足元では0.8470付近へと下押しされている。ポンド自体に目立った材料はなく、対ユーロでの値動きに影響されている。4日には英総選挙が控えているが、労働党政権の誕生がほぼ織り込み済みとなっているもよう。