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新NISAの次のステージへ、魅力的なアクティブファンドにも活躍期待

iconYAHOO·JAPAN

2024-06-27 17:15

日本株を対象としたアクティブファンドにも活躍が期待される。(イメージ写真提供:123RF)...

  三井住友DSアセットマネジメントが設定・運用する「三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジー」が6月28日に新規設定される。新NISAの成長投資枠の対象ファンドとしても登録されており、国内株式を投資対象とし、30銘柄程度に厳選投資するアクティブファンドとして今後の活躍が期待される。国内株式市場は、今年2月に日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新し、3月には4万円の大台を突破した。これまで「失われた30年」などといわれ、投資対象として注目されることがなかった日本株式が魅力的な投資対象といて見直されている。この新しいステージを迎え、同ファンドのような日本株を対象としたアクティブファンドにも活躍が期待される。

  「三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジー」は、「『マクロよりもミクロの方が予測しやすい』『株価は最終的には業績に収れんされる』との哲学のもと、企業業績に直結する“先行指標”に着目し、徹底した企業調査に基づく厳選された銘柄への投資により、あらゆる市場局面において収益獲得を目指します」と謳う、ボトムアップ・リサーチによる企業調査力を収益の源泉とするファンドだ。最終的な投資銘柄数は30銘柄程度と、確信度の高い銘柄に厳選投資する。

  同ファンドの販売用資料では、現在の国内株式市場を「史上最高値を更新し、新たなステージに入った」と評価。「歴史的な円安により企業業績は最高益を更新し、東証の市場改革によって企業は資本コストを意識した経営を求められるようになった」と現在の市場環境を展望している。そして、「世界的なインフレを背景に多くの企業が値上げへと動いた結果、価格転嫁が浸透し、企業収益の向上に寄与」、また、「賃上げの動きにより、近く実質賃金も上昇に転じることが予想されており、消費のさらなる拡大へとつながる」と日本経済への強気の見通しを紹介している。

  また、投資対象としての日本株式は、「日本企業は相対的に現金の保有比率が高く、設備投資を含め、現金活用の余地が残されている」、そして、「東証の要請も呼び水となり、企業は資本効率改善の一環として、配当や自社株買いの株主還元を強化しており、2023年度も過去最高を更新するなど、増加を続けている」と株式の魅力そのものが高まっていることを強調。加えて、米国などと比較して日本株式のバリュエーション(投資尺度)は相対的に割安な水準にとどまり、今後のEPS(1株当たり利益)成長を考えると株価には一段の上昇余地があるという見通しを示している。

  このような日本株式の変化は、海外の投資家の間でも共有され、海外投資家の日本株の積極的な買い増しが目立ってきている。ただ、その買い越し額の水準は、「アベノミクス当時と比べて半分以下にとどまっている」とし、「日本株を再評価する海外投資家の買いは今後も続くと見込まれる」と見通す。

  同ファンドでは、投資先企業の選定において、「先行指標を活用した銘柄選定」を特徴としている。これは、決算資料や会社発表等のミクロ情報は、業績の変化に先行して変動するため、市場環境変化への早期の対応が可能になるという考え方に基づく。たとえば、企業の受注や受注残、あるいは、工場稼働率などの変化は、顧客の生産計画や在庫情報、競合他社の状況などと合わせて分析することによって、業績の変化を捉える材料になりえる。この変化を捉えて投資を開始することによって、その後に企業業績が向上し、その業績アップを材料に株価が上昇に向かうことを先回りすることが可能になるとしている。

  実際に、この投資手法を活用したマザーファンドの運用は、2020年2月25日から運用実績があり、過去5年間(2020年は設定日から、2024年は4月末まで)で常に年間のパフォーマンスはTOPIX(東証株価指数)を上回る成績になった。2024年4月末までの設定来リターンは、同ファンドのマザーが126.2%増で、この期間のTOPIXの88.6%増を37.6%ポイントもアウトパフォームしている。

  このような意欲的なアクティブファンドの提供は、今後、活発に行われると考えられる。今年1月にスタートした新NISAによって、若い世代を中心に新たに資産運用を始める投資家が増えているが、その投資手法は「低コストのインデックスファンドによる積み立て投資」が主流だ。積み立て投資の対象商品として人気が高い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は信託報酬率が税込みで年0.05775%以内という超低コストだ。投資家にとって、運用にかかわるコストが低いことはメリットでしかないのだが、これを取り扱う金融機関にとっては収益になりづらい商品になっている。販売会社が受け取れる手数料は税抜きで年0.0175%であり、仮に、このファンドの販売残高が100億円あったとして、1年間で入る収入は175万円(月額約14.6万円)に過ぎない。販売残高が1億円であれば月額1460円足らずだ。

  これに対してアクティブファンドは信託報酬が年1%以上期待できる。三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジー」の信託報酬は税込み年1.573%になっている。手数料だけを比較して投資家は、このファンドを避けるだろうか? 過去5年間で年1.5%の手数料を支払ったとして5年の累計で7.5%だが、同ファンドのマザーは5年足らずでTOPIXを37.6%アウトパフォームしている。手数料分を差し引いても5年で30%の超過収益が得られる計算だ。手数料以上のパフォーマンスが期待されるのであれば、投資対象として十分に検討できるのではないのだろうか。

  まして、主要なインデックスファンドは、主に時価総額の大きな銘柄でインデックスを構成しているため、「S&P500」が下落すれば、「全世界株式(オール・カントリー)」も「先進国株式(MSCIコクサイ)」も一緒に下落することになる。株式のインデックスファンド間でリスク分散はあまりできない。それと比較すると、アクティブファンドは、「運用力」というインデックスとは異なるリスクを持つ資産だけに、分散投資効果も期待できる。「まずは、インデックスファンドの積み立てから」と始めた投資家の方の間では、投資スタートから半年が経過し、次のステップを考え始めるタイミングでもある。魅力的なアクティブファンドの供給によって、投資家の選択肢が増えることを期待したい。

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