イングランド銀行(英中央銀行)は27日公表した金融安定報告で、国内企業および家計はおおむね高金利に対処できているとの見解を示した。ロンドンの本部、5月撮影。
[ロンドン 27日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は27日公表した金融安定報告で、国内企業および家計はおおむね高金利に対処できているとの見解を示した。
一方で世界の資産価格に「急激な調整」の可能性があると指摘。投資家は取っているリスクに対し非常にわずかな見返りを求めているとした。
英中銀金融行政委員会(FPC)は四半期会合後「世界のリスク環境が複数の課題に直面しているにもかかわらず、市場は引き続き穏やかな見通しを織り込んでいる」と述べた。
リスク要因として、米国などの商業用不動産、フランスなど海外の選挙に起因するボラティリティの上昇などを挙げた。
英国の借り手は金利上昇の影響を受けにくいとの前回報告の見解を今回も踏襲した。
英中銀は、住宅ローンの約3分の1が金利が3%未満で、今から2026年末までの間に借り換えした場合、月々の平均返済額が180ポンド(28%)上昇する可能性が高いと指摘。ただ、過去10年の融資規制強化により、返済に苦しむ世帯の割合は08年の世界金融危機後を大きく下回るとの見込みを示した。
一方、賃貸住宅居住者の状況は厳しく、今年第1・四半期の家賃滞納者の割合は16.5%で前年同期の15.7%から上昇した。多くの賃貸住宅居住者や生活が苦しい世帯が貯蓄を切り崩しており、慈善団体の報告では生活必需品購入のために借金している低所得世帯が多いと述べた。
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