米労働省が7日発表した5月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増で、予想を大きく上回った。マサチューセッツ州メドフォードで2023年1月撮影(2024年 ロイター/Brian Snyder)/>
Lindsay Dunsmuir
[7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した5月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増で、予想を大きく上回った。賃金の伸びも再加速し、労働市場の耐性を強調する内容だった。
ロイターがまとめた予想は18万5000人増。予想レンジは12万人増─25万8000人増。
失業率は3.9%から4.0%に上昇。4%割れの連続記録は27カ月で途切れた。
雇用統計が予想外に強かったため、市場では米連邦準備理事会(FRB)は当面、様子見姿勢を維持し、利下げ開始時期の決定に時間をかけることになるとの見方が広がった。
アネックス・ウェルス・マネジメントの主任エコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「減速はここまでだ。雇用者の増加数は目を見張るものだ。FRBはこれを、経済成長をあまり心配せずにインフレ鎮静化に引き続き集中できると受け止めるだろう」と述べた。
業種別では、ヘルスケア関連で6万8000人の雇用が創出され、全体の増加をけん引した。
政府部門の雇用者数は4万3000人増加した。レジャー・接客業は4万2000人増。そのうち半分強が飲食サービス業だった。
専門・ビジネスサービス部門では3万2000人増。
一方、百貨店や家庭用家具小売店では小幅に減少した。
時間当たり平均賃金は前月比0.4%上昇した。4月は0.2%上昇だった。前年比では4.1%上昇。4月は4.0%上昇に上方修正された。賃金上昇幅は3.0─3.5%であればFRBの2%のインフレ目標と一致するとされている。
平均週労働時間は34.3時間で変わらずだった。
一部エコノミストは、雇用の大幅な増加と失業率の上昇の矛盾を指摘している。マクロ研究所のシニア投資ストラテジスト、ブライアン・ニック氏は「これら2つの数字が全く異なることを示しているため、投資家もFRBも、何が起きているのか正確に把握するのは非常に困難だ」と述べた。
フェデラルファンド(FF)金利先物は、FRBが9月までに利下げに着手する確率が53%であることを示す水準にある。雇用統計発表前は約70%だった。FRBが年末までに2回の利下げを行う確率は約50%。雇用統計発表前は68%だった。
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