7月28日、スイス国立銀行(中央銀行)が第1・四半期に外貨の購入に転じていたことが同日公表の統計で分かった。チューリヒの同銀前で3月撮影(2024年 ロイター/Denis Balibouse)/>
[チューリッヒ 28日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)が第1・四半期に外貨の購入に転じていたことが28日公表の統計で分かった。スイスフラン下支えからの転換を示唆した。ただエコノミストからは、規模が小さく、本格的な介入のシグナルではないとの見方が出ている。
第1・四半期はドル、円、ユーロを2億8100万スイスフラン(3億1247万ドル)相当購入した。昨年第4・四半期は227億フランの売却だった。
中銀は売却から購入への転換についてコメントを差し控えた。
中銀はこの数四半期、フランを下支え、輸入インフレを抑制するために外貨を売却していた。
しかしインフレ率は数カ月にわたり中銀の目標レンジ(0─2%)内に収まっている。フランは、フランス議会選挙を巡る懸念を背景に対ユーロで大幅に上昇。ジョルダン中銀総裁は先週、フランの急伸を防ぐため市場介入する用意があると述べた。
UBSのアナリスト、アレッサンドロ・ビー氏は、前期までの売却額を考えると第1・四半期の購入額は微々たるもので、少なくとも今の水準で中銀が大規模な介入するというシグナルではないと指摘した。同氏は今後12カ月でフランが対ユーロで0.92フランに上昇すると予想。「0.90フランに上昇することがあれば、フラン売り介入を始める可能性がある」と述べた。
Jサフラ・サラシンのチーフエコノミスト、カルステン・ユニウス氏は、外貨売却をやめたという中銀のメッセージがデータで確認されたが、購入規模が小さく、それ以上読み取ることができないとし「中銀がいま現在、外為市場で行動しているとも思わない」と述べた。
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