6月26日、米連邦準備理事会(FRB)は、国内大手銀行に対する健全性審査(ストレステスト)の結果、各行は商業用不動産の価格が40%下落した場合の衝撃に耐えることができるとの判断を示した。写真はニューヨークのオフィスビル。
[ニューヨーク 26日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は26日、国内大手銀行に対する健全性審査(ストレステスト)の結果、各行は商業用不動産の価格が40%下落した場合の衝撃に耐えることができるとの判断を示した。商業用不動産業者の収益が長期にわたる高金利で圧迫される中、銀行業界を巡る不安が和らげられた。
新型コロナウイルスのパンデミック局面で定着した仕事習慣が続く中、オフィスビルの空室率は過去最高水準に上昇している。この影響を銀行がどの程度受けているかを見極めるため、投資家はストレステストの結果を注視していた。
ジャニー・モンゴメリー・スコットの調査責任者、クリス・マリナック氏は「多くの点で、銀行が非常に厳しい局面を乗り切れることが示されたのは、安心感をもたらすはずだ」と述べた。「だが、商業用不動産を巡る不透明感が解消されたとFRBが考えているわけではない。現在は依然、信用サイクルの初期段階にある」と付け加えた。
FRBはストレステストで、米住宅価格が36%下落、株価が55%下落、失業率は10%といった深刻な景気の悪化を想定して銀行のバランスシートを検証。その結果、大手銀行は深刻な世界的景気後退の局面でも家計と企業に融資を続けることができるとの判断が示された。
想定される状況下で見込まれる商業用不動産の損失比率は、ゴールドマン・サックスが最も高く15.9%、RBC(USA)は15.8%、キャピタル・ワンは14.6%、ノーザン・トラストは13%となった。
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